書評

7月11日の選挙前に読もう!

『日本経済復活 一番かんたんな方法』を読み、一人でも多くの方が選挙前に読んで欲しいと思いました。

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ボーナスカット、失業、仕事がない、商売をしても利益が上がらない、住宅を売ろうにも安い値しかつかなくて売れない、このような日本全体を取り巻く問題の「核」が「デフレ」であると本書を読むと理解ができます。

まずは問題の根っこを取り除き、経済を建てなおさないことにはその先の問題に進むことができません。

勝間 私がなぜ脱デフレを主張するようになったかというと、この「デフレ下では弱者がもっとも困窮する」ことに気づいたことにあります。

飯田 僕は「椅子取りゲームの椅子が減っている」という言い方をよくするのですが、椅子が減ると、社会的に一番弱いところから弾かれていくことになるんです。勝間さんも随所で言及されていますが、若者、女性、老人、そして、障害者や外国人労働者など、さまざまなマイノリティが弾かれる。これこそ、マクロ経済指標だけでは表せないデフレの問題点、そして非常に大きな問題点です。

路頭に迷う人を少しでも減らすためにもデフレを止めないとならないということ。

本書でも触れられていましたが、私の地元など製造業に依存する地方では円高パンチで雇用が相当深刻です。

スーパーの商品が安くなるからデフレが好きという主婦層にも住宅ローンや給与やボーナスカットいう爆弾があります。

勝間 ところが、2%のデフレだと土地の価格は98円に下がってしまう。だからおカネを借りて土地を買っても、値段が下がっていく分だけ、毎年2%の金利を払っているのと同じことになってしまう。だから借金の金利というのは実質で考えなければいけないわけです。

飯田 まず物価が下がると企業の売上が減りますね。そうすると企業が賃金を支払えなくなるので、失業が増えます。これが、一番かんたんな説明です。

新書で対談形式でさらりと読めますのでぜひ選挙前にお読みください。

合わせて『脱貧困の経済学 日本はまだ変えられる』も読みました。こちらも対談形式で非常に分かりやすく、若い人はもちろん団塊世代の方にも読んでいただきたいと思いました。

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  1. 最低賃金は時給2000円にしろ!
  2. 派遣切りをする前に、内部留保を取り崩すか、経営陣が減給しろ!
  3. 派遣の使い捨てをやめろ!
  4. 低収入・無収入者に住宅援助をしろ!
  5. 生活保護の「水際作戦」をやめろ!
  6. 結婚・子育てしたい人ができる社会に!
  7. ベーシック・インカムを月15万円よこせ!
  8. 全員分の仕事ってほんとうにあるのか?

印象に残った箇所がこちら。

再配分で貧乏人が増える国

−飯田 実質的には「東京から地方へ」と「若者から高齢者へ」。つまり東京の貧乏人からとって田舎の金持ちに配り、若い貧乏人からとって金持ちのお年寄りに配っているんです。

金持ち大減税の果て貧富の差が広がった、という衝撃の事実が・・税制が極めて複雑だからごまかせたのか。。

再配分しなければ、日本は北欧並みに平等だった?

−飯田 市場所得は実際にもらっている金額、可処分所得は税金と保障を引いたあとの金額。市場所得で見た不平等度って、日本は北欧には及びませんが、わりと平等なんです。それなのに再配分後の可処分所得では世界でトップクラスの不平等社会なんですね。

だから日本の不平等って、市場原理主義の暴走うんぬんよりも、完全に政策が失敗している、というのが攻撃しやすい論点かもしれない。

なんのための再配分なのだろう・・

本書でも取り上げられていた「ベーシック・インカム」などシンプルで平等なものに移行していって欲しいと思いました。

雇用がないことはロスジェネの責任じゃない!

−飯田 僕が思うに、努力にはふたつのタイプがある。ひとつはたとえば仕事に限定すると効率化の努力。工場であれば効率よく作業をする、サラリーマンであれば、ばんばん営業して仕事をとってくる、事務作業を手早くこなすといった努力です。

もうひとつは、人間関係に関する努力。空気を読んで、キーパーソンと仲良くする。この人間関係の努力は、まあ最低限はしてほしいとは思うんですけど(笑)、それをガンガンやっても経済全体には何ひとつ貢献しない。自分の首が切られないように、場をつなぐための努力ですから。

効率化への努力は、どんどん仕事をこなせるようになり、業務範囲も広がるし楽しい努力だと思うんですが、それに対して関係性の努力って、やっているだけでやんなっちゃう。

イスが足りないと、この関係性の努力ばかりが求められる。でもこの努力って、社会全体にとっては役に立っていない。

さらに、いまの日本の再配分は若者からとっている。そこから取って莫大な人口のいる60代に配り始めたら、再配分によってさらに不平等度が上がってしまう。

これからの時代はこの二つの努力をして椅子を死守していかなければいけないのなら、椅子にかろうじて座っているほうも弾き出されたほうもつらい時代になります。やはり経済成長が必要。。

結婚でプレカリアートは救われるのか?

−飯田 昔から、「一人口は食えないけど二人口は食える」と言います。でも、その人たちが子どもを生んでどうにか育てたとしても、誤解を招く言い方ですが、その子はかなりきびしい人生を歩むことになると思うんです。

どんどん単純労働者が要らなくなっている。この状態で両親ともになんとか働きつづけられたとしても、年収360万円で子どもを大学にやるのは無理、ですよね。

これら諸悪の原因が金融政策をはじめとする政策の失態ということであれば、選挙でしっかりと人選しようと思いました。

その他にできることとしては、ファイナンシャルプランナー向けの勉強会で団塊世代の方に呼びかけようと思うこと。そしてブログがツイッターで活発に発言していきたいと思いました。