名古屋でのFPフェア2009に参加し、以下の気づきがあった。
1.FPとしての役割の再定義。個々に事情が異なる家計の資産(人生)形成のサポートをする。
2.今後の日本の事情を考えると人的資本と金融資産運用の両輪での資産形成が大切。
さて、FPフェアとは日本FP協会が会員の交流・学び、一般へのPRのために一年に一度行っているもの。会員の方も一般の方もぜひご参加ください。次回は埼玉で行うようです。今回は講師の水谷研治さん、伊藤元重さんのなどお話お聴きすることができました。
今回一番の収穫はFPの役割を再確認できたこと。年金運用と個人の資産形成は違います。
何が違うかというと、個々の家庭には個別の事情や要望があります。年金の場合それがないので適性なポートフォリオを組めばよいのです。しかし、個人の場合、必ずしもそれがよいとは限りません。
例えば、遺族年金でお子さんを育てている家庭を考えましょう(相続財産は少ししかないと仮定)。この場合資金の目減りは死活問題になります。なにせお子さんの教育と生存がかかっています。株式を組み入れるよりも、安全資産で運用するのが望ましいでしょう。他方で親の相続でマンションを譲り受け、大手銀行で勤務しているのA嬢の場合(独身、20代)かなり積極的なポートフォリオを組むことができるでしょう。
こういった諸事情を考慮し、ライフプランニングを総合的にオーダーメイドで提供することがFPの役割だと強く感じました。
二つ目の気づきが日本の事情が今後は異なるということ。
水谷研治さん、伊藤元重さんなどのお話を自分なりに以下のように解釈しました。
①金融危機を乗り越えて日本は構造転換に迫られている。中国の中間所得層(4億人の年収5,000~35,000ドル層)が主力のお客様となる。輸出企業は競争力を維持するために現地生産になるだろう。今求められるのはグローバルで活躍できるマネジメント能力のある人材。もしくは日本国内で医療、観光、食料、高齢者ビジネスなど新しい産業に携わる人。
②日本の財政問題に本気で取り組む必要がある。日本の借金は対GDP比160%。今後人口減少に伴い税収減にどのように対応するのか。こんな国家にしてしまったのは私たちの責任。国家をもう一度建て直す必要がある。これからは国家に頼るのではなく国家を支える人材。自分のことは自分で守る人材が必要。
①、②から人的資本と金融資産運用の両輪での資産形成ができる資産形成エリートが求められると考えます。ハイパーインフレや徳政令が起きてしまった場合、金融資産よりも海外で稼げる能力のほうが強いです。
なぜ自己投資、運用をするのかと申し上げると、ずばり将来の購買力を維持するためです。将来もおいしいご飯を食べ、世界中旅行に行き、人生の夢を実現するためにするのです。今から動ける人は今後環境が激変(インフレなど)しても哺乳類のように生き延びることができるでしょう。
グローバルで活躍する人材ならば円以外の通貨での運用も検討する必要があります。日本が財政で危うくなっても他の国でも生き延びられるから。
ちなみにだからと言って日本株を売って中国株にすればよいと言う訳ではないので注意してください。山崎元さん ホンネの投資教室 第111回 長期投資は儲からないのか? 低成長国の株式は儲からないのか?に理由が詳しく書かれています。
今後の資産形成は強くたくましくしたたかにですね。。